花火の撮り方をフォトグラファーから直接学ぼう【初心者向け】

いよいよ、花火シーズンの到来!
花火撮影は夏の風物詩として、依然高い人気を誇っています。
 
しかし、実際に撮影してみると、意外と夜の撮影は難しく、構図も一定になりがち。
 
たかが花火、されど花火。
今回、この記事を通して、「自分だけの花火写真」を撮影できるお手伝いができると幸いです。
 
今回は、プロフォトグラファーの別所隆弘さん(@takahiro_bessho)にご協力をいただきました。
 
打ち上げ花火の撮影は、スマホ撮影とカメラでの撮影に大別できますが、今回は、技術の必要な、カメラでの撮影について解説していきます。
 

まずは撮るシーンをイメージし、射出点からの距離を検討しよう

これからは花火の撮り方を学ぶにあたって、重要なのは、”どういうシーンで撮るのか”ということです。
これが違うだけで、必要な機材、機材の選び方など全てが変わってきます。
 

【短距離】土手など近くから花火を撮影する

花火大会に行って撮影する場合。花火単体だけでなく、ポートレートとして、花火を背景にする場合も含まれます。

【中距離】家から見える花火を撮影する

お家の屋上や、庭、展望台やビルから撮影する場合です。距離としては、肉眼で花火が楽しめるくらいと考えるのがいいでしょう。スマホ撮影ならこの距離が限界でしょう。

【長距離】山に登って風景と共に花火を撮影する

実際に山に登って、撮影する場合です。この場合、もっとも重視したいポイントは、”機動性”と"安全性"です。

 

花火撮影の基本

花火撮影をする際に重要なポイントは3つあります。

■ 三脚は必須

一番重要と言っても過言ではないのが、"三脚"です。
三脚はたくさん種類があって、値段もピンからキリまでありますが、5千円以下で買えるもの、1万円代くらいのもの、3万円以上のものと分けるとします。
 
値段の違いは、素材、強度、大きさ、重さ、で変わります。
 
もちろん、「素材はカーボン、強度は高く、コンパクトで、軽いもの」は理想ですが、全て揃ったものだと5万円以上と高額になります。
 
まずは、距離を目安に、どういったものが自分に合っているかを選んでみましょう。
また、使用頻度により必要な強度も変わります。
年に4-5回程度しか使用しないのであれば、強度をそこまで気にする必要はありません。

 
短距離:短距離の場合は、目線より上にある花火を撮影することが多くなるので、”雲台(カメラを設置する部分)の角度”を意識しましょう。また、雲台の可変角度が広くても、耐重量が低いと固定が難しいので、ご自身のカメラの重量と照らし合わせてみてください。
中距離:意外と三脚選びで迷うのは、この中距離です。この距離で撮影する場合が一番選択肢が多いので、まずは2千円くらいで買えるものをお試しで使ってみるのも悪くないでしょう。最低限、耐重量、高さの調節、収納時のコンパクトさなどを意識しておけば、失敗しにくいです。
長距離:山に登って撮る場合は、"トラベラー三脚”がおすすめです。山登りは体力を消耗するので、できるだけ機動性が高いものを選んでおきましょう。

  

■ 基本的にピントは射出点に合わせる

はじめは、大きい花開いている部分全体にボヤっとピントを合わせたくなりますが、射出点を狙ってピントを合わせます。
そうすることで、迫力や立体感のある花火を表現することができます。
なんだかのっぺりとした写真になりがちだなという場合は射出点を意識しましょう。
 

 マニュアルフォーカス(MF)で撮影する

花火は基本的にオートフォーカスでは撮影できません。
周りが暗くピントが合いづらいので、花火大会が始まって最初のうちは、ピント合わせのための試し撮りをする感覚で撮影してみてください。
 

撮影の手順

では、機材がそろったら、具体的に撮影の手順を踏んでいきましょう。
 

 場所を確保しよう

場所の確保をしましょう。
有名な花火大会だと、3日前から場所取りが始まることもあるのだそう。
また、撮影時は、周囲の人の迷惑にならないように、気を使うことも忘れずに。
<h3>カメラのモード設定はB(バルブ)がおすすめ</h3>
カメラの機種によっても異なりますが、B(バルブ)モード上がる場合はこちらを使いましょう。
ない場合は、M(マニュアル)モードで代用します。
 

 露出設定時のISOは最も低い値に設定しよう

ISO感度は100(ない場合は200など最小値に設定)に固定し、F値を変えて調整します。
素朴でシンプルな花火であればF8~11、後半に近づくにつれ盛り上がる、明るめの花火ならF16~22くらいで調整します。
 
ちなみに、シャッタースピードはあまり関係なく、基本的にはISOとF値で決まると覚えておいてください。
花火が散る際の軌跡や写したい花火の個数に影響しますが、少し上級者向けです。
 

 三脚に固定

では、三脚に固定していきましょう。
 
打ち上げ場所からの距離が近ければ近いほど、縦構図の方が迫力のある写真を演出しやすいです。
 

 撮影開始

余裕を持って撮影に挑みましょう。
 
短くても30分以上ある花火大会が多いため、最初の5分は、調整のために使ってしまってOKです。
 
もっと詳しく花火の撮り方を知りたい、編集方法も気になる、という方は、こちらの動画を参考にしてみてください。
 
 
 
 
【動画に出でくる花火写真:花火大会名前】
    ※トークショーの中で名前が出てきたもののみ記載
 
超近い(焦点距離10mm-14mm程度)撮影
  • 新潟県 長岡まつり大花火大会
  • 山梨県 神明の花火
  • 山形県 赤川花火大会
  • 愛知県 豊田おいでんまつり花火大会
  • 熊本県 やつしろ全国花火競技大会
  • 長野県 長野えびす講煙火大会
  • 大阪府 教祖祭PL花火芸術
     
近い、多分
  • 広島県 宮島水中花火大会
  • 愛知県 名港水上芸術花火
  • 三重県 熊野大花火大会
  • 兵庫県 みなとこうべ海上花火大会
     
ちょっと離れてみた
  • 兵庫県 みなとこうべ海上花火大会
  • 広島県 広島みなと夢花火大会
  • 愛知県 豊田おいでんまつり花火大会
  • 滋賀県 びわ湖大花火大会
     
思い切って離れてみた
  • 広島県 広島みなと夢花火大会
  • 滋賀県 彦根大花火大会
  • 滋賀県 びわ湖大花火大会
  • 新潟県 長岡まつり大花火大会
     
WITH YOU(何かと一緒に撮る)
  • 東京都 東京湾大華火祭
  • 長崎県 ハウステンボス花火
  • 山梨県 河口湖冬花火
  • 三重県 花火大競演
  • 愛媛県 三津浜花火大会
  • 奈良県 若草山焼き
  • 佐賀県 九州花火大会
  • 大阪府 教祖祭PL花火芸術
  • 山口県 関門海峡花火大会
  • 広島県 宮島水中花火大会
  • 静岡県 安倍川花火大会
  • 新潟県 片貝まつり大花火大会
  • 広島県 広島みなと夢花火大会
  • 長野県 常総きぬ川花火大会
  • 兵庫県 猪名川花火大会