“素材と調和する美しさ”を大切に。|フォトグラファー・yukkeyが贈るLUT『ORDER MADE』

CURBON LUT LETTERS|yukkey

CURBONのLUTから広がる、アーティストたちの“動画と言葉”に触れる新シリーズ「CURBON LUT LETTERS」。

LUTは、ただのフィルターではありません。
それは、シャッターの先にある“まなざし”や“心の色”を分け合う、ひとつの手紙のようなもの。
どんな瞬間にレンズを向けたのか。どんな色に心が動いたのか。
そんな感覚を誰かと共有できるのが、LUTの魅力です。

このシリーズでは、写真や動画への想い、創作のルーツ、日常のひらめきを丁寧にひもといていきます。

第8回は、煌めく光と深みのある色が魅力のフォトグラファー・yukkeyさん。
彼が見つめる世界を、そっと覗いてみませんか?

 

はじめに


こんにちは。フォトグラファーのyukkeyです。
滋賀県在住で「四季の移ろい」をテーマに日本の風景の美しさを写真や映像で表現しています。

写真を始めたきっかけは、2018年に写真教室へ入会したことでした。
映像制作には2023年から本格的に取り組んでいます。

風景を主な被写体とするようになったのは、当時の写真教室で出会った友人たちの影響が大きいです。
それまでスマートフォンで撮るような写真しか知らなかった私にとって、彼らの撮る風景写真には衝撃を受けました。
そして「自分もこんな風に、人の心を動かすような写真を撮ってみたい」と思ったのが始まりです。

映像に興味を持ったのは、Instagramでリール動画が流行り出した頃に、一眼カメラで撮られた非常に高画質な映像に衝撃を受け、「一眼を持っている自分もできるかもしれない」と思い、2023年から挑戦しました。


撮影のこだわり


普段の撮影は、1台のカメラで写真と動画の両方を撮影していることが多いです。
最近のカメラは手ぶれ補正性能が非常に高く、ジンバルを使わなくても安定した動画を撮ることができます。そのため、機材を増やすことなく、表現の幅を2倍に広げられたのが良かったです。

表現面で大切にしているのは、「目で見た光景を自然な美しさで、自分らしく再現すること」。
そのために特に意識しているのは透明感と立体感の二つです。
透明感というのは、ホワイトバランスが整い、色被りのない「白が白」として見えることと考えています。

また、立体感については、前景にボケを入れ、中間に主題を置き、背景で奥行きを演出することで、写真や映像という平面の中にも奥行きを感じる絵作りができます。
そんな構図と色づくりを意識することで、目で見た光景を自然な美しさで、自分らしく表現しています。
 


LUT「ORDER MADE」について


LUTは、撮影現場で感じた印象や空気感を再現しつつ、自分の表現を加えるための重要なツールです。
今回制作した「ORDER MADE」は、私が写真と映像制作を通して培ってきた色づくりの感覚を落とし込んだLUTです。
過度な演出は避け、素材の持つポテンシャルをそっと引き出し、飽きのこない色の両立を実現しました。
風景だけでなく、スナップやカフェ、ポートレートなど、幅広いジャンルの映像に自然に馴染み、どんな作風にも溶け込みます。


LUT使用例 Before / After


「ORDER MADE」を適用することで、光とシャドウの階調がより豊かになり、映像全体に深みと統一感が生まれます。

・早朝の朝靄がかかる桜
 薄い朝靄の中に差し込む光のぬくもりをやさしく再現。
 【Before】                 【After】

・漂う紅葉と錦鯉
 秋らしい深みのある色合いを自然に表現。

【Before】                 【After】

・雪が降り頻る湖畔
 静寂の中にある冷たさと、どこか懐かしさを感じるトーンへ。

【Before】                 【After】


「ORDER MADE」を最大限に生かすポイント


「ORDER MADE」は、適切な露出とホワイトバランス で最も美しく作用します。
また、「グロー(Glow)」効果をほんの少し加えることで、光が柔らかく広がり、映像により立体感が生まれます。
 
【Before】                 【After(ORDER MADE + Glow)】


最後に


 映像制作において色づくりは奥が深く、個性が現れる部分だと思っています。
 「ORDER MADE」は、派手さよりも“素材と調和する美しさ”を大切にしたLUTです。
 あなたの映像にそっと寄り添いながら、作品の魅力を引き出してくれる。
 そんな“オーダーメイド”のようなLUTでありたいと考えています。

 このLUTが、あなたの映像表現をさらに豊かにすることを願っています。